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2009年05月14日

第16期SA養成第5講座

5月13日相続アドバイザー養成講座の第5講座が行なわれました。

題目は「借金と相続対策」です。
講師は内藤雄氏(㈱三商)です。

内藤氏は以前、金融業を営んでいました。

お金を借りに来る現場です。
お客様の目の前にお金をつんで書類にサインをしてもらっています。
さりげなく金融業者は聞きます。
「このこと(借金すること)は奥様はご存知ですか」
お客「とんでもない。妻には内緒です。ちゃんと返しますから絶対に言わないでください」

借金は家族に言えません。ひとりで悩みを抱えます。
返せなくなると、他から借ります。そして限界がきます。
職場で悩み、家族にも言えず。
40代の死因の一番は自殺です。自殺の原因は複合的ですが、借金苦も原因の一つです。

内藤氏は言います。
「借りた金は死ぬ気になって返すべきだ。しかし死んでまで返すことはない」
解決方法はあります。肝心なのは
「ひとりで悩まない。ひとりで背負わない。ひとりで何とかしようと思わない」
借金の現場を知りつくした内藤氏の話は皆をひきつけます。

借金・保証債務の相続対策で代表的なのが相続放棄です。
家庭裁判所で相続放棄をすると、はじめから相続人でなかったことになります。
借金を相続することはありませんが、財産も相続出来ません。
債務超過の方にとって相続放棄が出来るかどうかは運命の分かれ道です。

相続放棄が出来るのは、亡くなった事を知ってから3カ月です。
しかし3カ月を過ぎても相続放棄が出来るケースがあります。
最高裁の判例、最近の裁判所の傾向の説明がありました。
借金があったことを知ってから3カ月でも相続放棄が受理される傾向にあるそうです。
しかし、受理されても放棄が確定的に認められたわけではありません。
貸し手側がその放棄は無効だと争うことは出来るという知識が大切だと言われました。

又、財産を処分してしまったら相続を承認したとみなされ放棄が出来なくなります。
「えっ、こんなことで処分になってしまうの」
という事例が紹介されました。
債務が多い人の相続が発生したときの最初のアドバイスは
「相続財産に手をつけないでください」です。
そして3カ月では債務がどれだけあるか、債務と財産のどちらが多いかわからないようなケースは、家庭裁判所で3カ月の期間を伸長できることを知っておくことが重要です。

他にも限定承認、子の借金から相続財産を守る、等々興味深い話がたくさんありました。
現場で借金で悩み苦しむ人の話を聴き真剣に対応している内藤氏の話は重みがあります。
最後に言われた言葉が印象的です。
「相談を受けすぐに自分の知識・価値観・人生観でアドバイスをしない。「なせこの相談するのだろう」「何が本当の悩みなのだろう」とお客様の話を本気で聴き、背後にある悩みまで聴く。答えは相手の心の中にある。お客様が解決原資をもっている。お客様との信頼関係が築けて初めてアドバイスができる」

貴重なお話ありがとうございます。


☆水沼修氏(SA協議会理事)の感想です。

相続対策とは、全てプラス財産に対する対策が前提。
しかし、財産にはマイナス財産(借金・保証債務)もあります。

もうひとつの相続対策 「借金と相続」の必要性として、
現在の倒産件数・自己破産者数・自殺者などの
データーとともに、借金(保証債務)の怖さの説明です。

ここで、受講生の皆さんの相続に対する価値観が変わります。

今の経済状況の中、中小企業の経営者をはじめ、
お金で苦しんでいる人はたくさんいます。
中小企業経営者は、借金しながら仕事を続けざるをえない。
つきまとう個人債務と個人保証。

借金のことは「言えない」「なんとかしたい」「でも、なんともならない」
借金は利息と遅延損害金をつけて返さなければならない。
借金も相続する。相続人の人生に影響する。
「借金を抱えたまま死んだらどうなるの!」

● 親の借金から子供の人生を守る。
● 子供の借金から親の財産を守る
● 借金で苦しんでいる人の人生を守る

ひとりで悩まない・ひとりで背負わないひとりで何とかしようと思わない
ように、相談相手になることが必要です。
そのためには、相手の話に本気で聴く、心の悩みまで聴くことです。
技法やテクニックではなく、答えは相手の心の中にあります。


素晴らしい講座でした。ありがとうございました。

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