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2008年10月16日
10/15特別研修講座報告
10月15日に行われた特別研修講座「失敗事例から学ぶ事業承継対策」の報告です。
講師は中小企業投資育成株式会社の多田 恵一 氏です。
中小企業投資育成会社とは中小企業に出資をする会社です。
出資の目的は経営支配ではありません。
①配当期待型投資 と ②株式公開期待型投資です。
①では株式公開にこだわりません。
投資スタンスは経営不干渉の長期安定株主として安定配当を得ることです。
したがって投資対象は優良企業です。
そんな優良企業が何故、外部からの投資を望むのでしょう。
理由は
①経営権の安定化。
②株式の評価の引き下げ。
③外部からの信用向上。
④資金調達。
⑤その他。
②はサプライズです。
投資会社が購入する新株の株価は、次の法人税個別通達に基づき算定されます。
計算式
増資後1株当たり予想利益(税引前償却後)×配当性向÷期待利回り(通常10%)
この算式で計算すると、実際より低い株価で新株を引き受けることが出来るのです。
その結果、増資後の株価は増資前よりかなり引き下げることができます。
20,000円の株価が12,503円に引き下げられた事例を紹介して頂きました。
後継者への生前贈与、相続税対策が行えます。
さらに良いのは、投資育成会社が株主として加わるため経営権、株主構成の安定化が計れることです。
投資育成会社の基本姿勢は経営不干渉で経営者の意向に従うからです。
株価が引き下げられ、相続税対策になり、経営の安定化になる。
素晴らし対策です。
しかし投資育成会社が投資出来る会社は、優良企業に限られます。
安定配当が期待できることが条件だからです。
従って、投資対象となるのは、中小企業の5%位しかないようです。
利用出来る会社が限られるので目だたないため、これだけ節税効果があっても上記法人税個別通達は改正されないのでしょう。
(ちなみに、この通達が出されたのは昭和48年です)
講座の前半は事業承継における失敗事例と原因について話して頂きました。
それゆえ、今回お話されたことの有用性が実感できました。
経営不干渉が原則ですが、投資育成会社は投資先が成長を望んでいます。
「信頼関係があれば何を言っても経営干渉にならない。信頼関係がないと何を言っても経営干渉になる」
と言われた多田氏の言葉が印象的です。
この制度を有用に活用するためには信頼関係が何よりも大切です。
講座終了後の質問時間に、具体的な質問が多く出たのが印象的です。
皆「目から鱗」 だったのでしょう。
有意義なお話ありがとうございます。
○水沼 脩氏(SA協議会理事)の感想です。
日経ベンチャー等に掲載された記事より、倒産・破綻の詳細が
5実例紹介されました。どれも相続を機に経営が傾いたケースです。
事業承継失敗の理由
○ 事業承継計画着手遅れ
○ 後継者人材の選び方、教育の問題
○ 株式の分散
○ 支援者の不存在
中小企業の事業承継は、同族(長男)経営へのこだわりがあります。
また、被相続人への平等意識が、株式や経営権の分散を招きます。
これらが、経営者の対立や暴走の原因となります。
経営者と同じスタンスで、何が問題かを整理する立場として関与し、
問題点整理と判断基準の作成をテーマとして議論する支援者が必要です。
(企業統治の脆弱さという同族企業の欠陥を補う支援者)
事業承継対策で必要なこと
経営の承認・・・・誰を選ぶか。後継者の育成、補佐人育成
財産の承継・・・・保有財産の引継ぎ。事業用不動産、自社株式
事業承継の要諦
○「事業の成長を維持する努力」「健全な財務体質の構築」
○事業の発展・継続を前提に考える
(相続税の節税対策が必ずしも最適な対策とは限らない)
○「後継候補者の選定」「後継者教育」「実権の段階的な移譲」
株式移動を円滑に行なう為に
準備のスタートは極力早く、時間をかけて計画を練る。
相続を「相続問題」にしないため、経営者自身が親族に対して説明できる状態の内に。
株価だけでなく、持ち株比率にも留意。(安定議決権比率確保)
安定株主とは「経営者との思いを同じにする株主」
事業承継対策と投資育成制度利用メリット
経営支配目的の株主ではない
1.経営権の安定化効果
2.税務上自社株評価の引き下げ効果
相続事業承継の王道的考え方と、投資育成制度の活用法を
学ばせていただきました。
まずは、将来性があり、魅力的な会社にすること。そして
後継者がそれを引き継ぐ人間力を学ぶことだと思いました。
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