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2008年07月31日
第6回相続寺子屋報告
7月30日に開催した第6回相続寺子屋「円満な借入金の相続」の報告です。
講師は寺嶋裕明氏(2期生 某銀行勤務)です。
円満な借入金の承継のポイントは、入口でボタンの掛け違いをしないことです。
例えば、二つの収益物件を購入(建築)する場合、別々に融資契約を行い、別々に担保を設定することです。
同じ敷地に2棟建てる場合、土地を分筆し分けられるようにしておくとよいでしょう。
各々の担保価値が十分なことは言うまでもありません。
一本の融資契約(印紙代を節約するため)だったり、共同担保になっている物件を遺産分割する時、問題が生じます。
しかし現場では、将来の相続の事よりは、目先の成績を上げることが優先されているようです。
建築屋さん主導で事が進んでいきます。
適切なアドバイスが求められる場面です。
相続発生時、
被相続人に債務がある場合は、財産分けは長男に任せるとしても、免責的債務引受契約だけは内容を確認し、確実に行わなければなりません。
銀行側の本音も、債務は一本にしたいのです。
保証人もその財産を次に相続する人以外には求めないでしょう。(担保割れの物件は別です)
債務引受契約をきっちりさせてあげるのも、アドバイザーの役割です。
銀行は遺産分割の内容に関与することはありません。
免責的債務引受契約を行う時も遺産分割協議書・遺言書を見せて欲しいとは通常いいません。
債務引受契約を承認するポイントは、担保物件を継承する人、家賃の振込口座名義人、借入金承継者が同じであることです。
銀行の立場からの債務の処理、相続預金の引き出しのお話は興味深いものがあります。
銀行の考え方を知ることは、対処方法を考えるうえで重要です。
他では聴けない貴重なお話です。
ありがとうございます。
補足
カードローンは要注意です。
カードローンは一身専属的な借入なので、死亡は「期限の利益喪失」にあたります。
ほっておくと高利息の遅延損害金が発生します。
カードローンがある場合は早めの対応が必須です。
○水沼 修氏(SA協議会理事)の感想です。
まず相続後、銀行に被相続人の通帳と印鑑、それに遺言書と自分の身分証明書持って遺言指定人が来たとします。ご存知の通り、遺言は遺産分割に優先します。
しかし、その場では現金を降ろすことはできません。普通銀行は相続人全員の印鑑を求めます。
なぜでしょうか?
後から、真の所有者が現れた場合の二重払いを防ぐためです。民法478条(債権の準占有者に対する弁済)には「債権の準占有者に対してなした弁済は、弁済者が善意であれば、弁済者に過失があっても、有効である。」とあります。しかし、銀行はできるだけトラブルに巻き込まれたくないのです。
このような観点で、銀行の立場から考えてみました。
銀行には、債権に対する相続の世間一般に通じる定義のようなものはないと思います。
銀行は債権者の立場で遺産分割の内容に、関心は持っていますが、関与することは通常ありえません。銀行は遺産分割の内容に同意する立場にもありません。また承諾する立場にもありません。
相続アドバイザーとして円滑な借入金の承継とは?
○借入金にまつわる相続人間の権利義務関係を明確にし、曖昧な関係を残さない。
○それぞれ資産は単独所有とし、その資産に付着する借入金を一人で相続する(免責的債務引受)。
○借入金を承継しない人は、免責的債務引受に基づいて分割債務状態から法的に離脱する。
○協議の際、相続人でない担保提供者や保証人にも配慮を忘れない。
○借入契約書と登記簿(所有権と抵当権)の名義を一致させる。
○相続人全員が、資産と借入金をセットで協議する。
・・・・などなど
ここでしか聞けない話を聞かせていただきました。
相手の立場で考えるいい機会になりました。
ありがとうございます。
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