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2008年06月22日

第14期SA養成第14・15講座

6月21日相続アドバイザー養成講座の第14・15講座が行なわれました。

14講座
題目/「鑑定評価による適正な時価評価とは」
講師/芳賀則人氏(不動産鑑定士)

15講座
題目/「相続と測量」
講師/高橋正雄氏(土地家屋調査士)

○斎藤紀明氏(SA協議会常務理事)の14講座の感想です。

相続税の申告にあたりもっとも重要なのが「財産評価」です。相続財産の評価は、相続税法第22条により「当該財産の取得の時における時価により」評価するものとされています。

では、時価とは何か。これが本講座の主要テーマです。

相続税法には時価の定義はありません。そして、税務当局の基本的な考え方は「財産評価基本通達」により評価しなさい、というところにあります。

たしかに、財産評価基本通達は大変なボリュームがあり、多種多様な不動産の評価方法を定めています。しかし、不動産は非常に個別性が強く、世の中には2つとして同じ不動産はありません。そうした不動産の特性を考えますと、画一的な財産評価基本通達では本来の時価を見失いかねません。

また、財産評価基本通達で不動産を評価するということは、「路線価」によって評価するということでもあります。不動産は一物四価、あるいは一物五価などといわれ、実際の市場価値である実勢価格のほかに、様々な指標があります。

一般的にいって、行政当局の考え方としては公示価格(および基準価格)が実勢価格を反映したものとされており、それを100としたときに路線価は80%の水準に設定されています。さらに固定資産税評価額は70%の水準です。したがって、当局の考え方では路線価による評価は実勢価格よりも低い評価額になっているということになります。

しかし、バブル崩壊後に実勢価格が急落した時期、「時価と路線価の逆転現象」が起きました。そして去年までの数年間ミニバブルと言われ急上昇してきた地価が、昨年夏ごろをピークに下落に転じており、それに対して今年発表される路線価は前年度対比で上昇するものと見受けられ、またしても時価と路線価の逆転現象が起きるのではないか、という見方が広がっています。

本講座の講師である芳賀先生は、長年にわたり豊富な相続案件の鑑定評価を手掛けており、その経験の中で財産評価基本通達の問題点、路線価による評価の問題点を熟知しておられます。

そうした経験にもとづき、路線価方式での評価と、不動産鑑定評価による評価額との間に著しい差異が生じた様々な事例を紹介し、適正な時価を算定することの難しさと重要性を具体的に分かりやすく講義していただきました。

また後半の講義では、「広大地の評価」に関する問題点が取り上げられました。平成16年に大きな改正が行われた広大地の評価は、一見すると大幅な評価減が可能になったことや開発想定図の提出が不要になり簡素な手続きになったことなど、納税者有利の改正であったかのようにおもわれます。

しかし実態としては、「その土地が広大地に該当するか否か」の判断が非常に難しく、しかも広大地に該当しないと判断された場合には広大地に関する評価減は一切適用されないため、税負担のうえで大変に大きな差を生じます。

なおかつ、広大地に該当するか否かの判断のなかでも「マンション適地か」という判断について、通達でも明確な基準は示されておらず、相続税申告に携わる税理士の方々のみならず、不動産鑑定士などの専門家にとっても大きな悩みとなっています。

この点について、本日の講義ではこれまで数百件もの広大地評価を行ってきた芳賀先生の実体験にもとづき、広大地に該当するとの判断基準の考え方、また税務当局との丁々発止のやりとりなど、実務に役立つ実践的な内容のお話が披露されました。

講座のなかで芳賀先生が繰り返しお話しされていたことは、「原則はこうなっている。しかし判断に迷うこともある。そのときに絶対あきらめないでください」ということです。

納税者のためにぎりぎりまで悩み・考え抜いて評価を行う。それでも判断がつかないときには、不動産の適正な時価についての専門家である不動産鑑定士に相談する。そのような姿勢で納税者のためにもっとも適した申告を行うこと、それをアドバイスすることの重要性を教えていただいた講座でした。


○田中康雅氏(SA協議会評議員)の15講座の感想です。

第1講座の中で相続コーディネートで1番大事なのは「税理士」、その次は「土地家屋調査士」との解説がありましたが、今日の講座は「相続と測量」のお話。
講義されるのは、「測量」の専門家である土地家屋調査士の高橋先生。
レジュメ及び講義内容は、すべて高橋先生の実務体験を体系化されたもの。その豊富な相続境界事例には圧巻です。
印象に残ったのは、「境界線は目に見えない。感情線。勘定線である」という言葉。
講義の2時間は常にこのことをふまえ解説がされているような気がしました。

主な内容は以下のとおり。
・筆界と所有権界と占有権界の違い。
・なぜ、境界でもめるのか。もめるとどうなるのか。境界紛争を解決するには。
・境界確定の重要性について。
・生前測量のすすめ。

しかし、高橋先生が最も言いたかったのは、講義開始5分の雑談の中にあったのではないかと思うのは、私だけではないと思います。
それは・・・・・
「今日、地主さんの依頼で借地人さんと更新料の交渉に行ってきました(途中省略)。最後は地主さんも更新料○○で納得してくれました。」
高橋先生いわく、解決の秘訣は、依頼者が話すことをよく「聴く」ことだそうです。
そして最後に「でも、変ですよね。地主さんの依頼で借地人さんと交渉していたんですよ。借地人さんと。でも結局最後に交渉(説得)したのは地主さんのほうです」

「相続と測量(境界確定)」-たとえ法律があったとしてもなかなか解決しない。それを解決できるのは、依頼者の心である。依頼者にそれに気がついてもらうこと。
そんなヒントを教えていただきました。

ありがとうございました。

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