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2008年06月12日
第14期SA養成第12講座
6月11日相続アドバイザー養成講座の第12講座が行なわれました。
題目は「都市農家(地主)と相続」
講師は 平井利明氏((有)グッドタイム代表)です。
平井氏は自身が都市農家です。
都市農家の問題点を感じている当事者ですので話しに実感がこもります。
講座のところどころで「食の問題」を話されました。
日本の食糧自給率カロリーベースで39%。
キャベツの名産地のキャベツ畑にモンシロチョウがいない。(それほど農薬がまかれている)
日本の将来を考える上で重要な問題を知ってほしいという平井氏の想いが伝わります。
生産緑地制度の理解が重要です。
利点は
固定資産税が1/300~1/400になる。
納税猶予を選択すると相続税の評価が1,000㎡で84万円になる。
しかし
土地利用が農地に限定される。
土地有効利用・売却が出来なくなる。
生産緑地・納税猶予はその方の家族ライフプランを考えて選択しなければ後に大きな問題が生じる危険があります。
特に納税猶予は注意が必要です。
相続税が免除されるのは、相続した人の終身営農が条件だからです。
(30年ではありません。ここを間違う人がいますので注意です)
営農が出来なくなると、納税猶予が打ち切りになり、相続税+それまでの利息 を支払わなければなりません。
亡くなるまで営農するためには、次の代(子)に農業を行う意思がなければ出来ません。
簡単には選択出来ないということです。
生産緑地が解除出来るのは
①生産緑地指定後30年経過。(納税猶予は免除されません)
②主たる農業従事者の死亡。
③農業従事者に農業ができない一定事由が生じた場合。
上記に該当し市町村が買取りをしない場合、生産緑地は解除され、土地利用・売買が自由に出来るようになります。(市町村が買取ることはめったにないようです)
※生産緑地の解除と納税猶予を混同している方が多いので注意が必要です。
自身が農家ならではのお話が随所にありました。
例えば
1,000㎡といっても農家の人はぴんとこない。一反といった方がよい。
農民といってはいけない。農業従事者という。
農地の隣接地は住宅街のため、土誇りがたつと近隣がからの苦情がでるのも都市農家ならではの悩み。
火など燃したら消防車がくる。
土地はたくさんあるけれど、現金がない。
固定資産税の負担が重い。
農業では生活は維持できない。賃貸収入が頼み。しかし空き室が目立つ。
等々。
都市農家がかかえる問題が伝わってくる講座でした。
平井氏は近々農業委員にもなられるそうです。
都市農家の問題を政治レベルで考えられるようになるのでしょう。
期待しています。
貴重なお話ありがとうございます。
○水沼 修氏(SA協議会理事)の感想です。
平井先生はFPとしてご活躍ですが、ご自身が東京都立川市で農業を営んでいます。
その他、相続アドバイザー協議会の常務理事として、立川市社会福祉業議会の依頼により、
毎週火曜日、市の相続相談の相談委員を勤めております。
現在、日本の食料自給率は40%を割り込んでいます。これは危機的状況です。
しかし農業は、農産物の輸入自由化、技術進歩による市場価格の下落により、経営が厳しい状況です。特に市街化地域(農住混在地域)における農家は経営が厳しく、農業従事者の高齢化や後継者不足が現状です。
都市農家の主な収入は、駐車場や賃貸アパートなどの不動産収入です。この収入で多額の固定資産税を支払っています。
農家は耕作する土地が必要です。昔は家督相続により家業を守っていました。田を兄弟や他人に分けることは「たわけ者」と呼ばれました。農家の資産のほとんどが不動産資産です。
平成4年に生産緑地法が施工されました。特定市街化区域内農地を所有者の意向により、宅地化する農地と保全する農地に分けました。生産緑地区域の指定です。生産緑地の指定は相続税や固定資産税を大幅に軽減できますが、土地の転用はできません。また、営農が大原則です。
「売れない」「貸せない」「建てられない」等、厳しく制限されます。
生産緑地を相続する場合、一定の要件の下、納税猶予が受けられます。しかし、農業相続人が終身(終生)営農することになります。もし農業継続が困難となって、農業経営を廃止した場合、遡り課税により最悪の状態になることが予想されます。
都市農家の場合、家族間で家業として農業を継続していく覚悟ができているかが極めて大切です。その他に、不動産資産に偏りすぎている資産を、金融資産、その他の資産に組み替え、長期的に考えていくFP的な生活設計が必要です。
ご自身で農家の長男として、相続も経験された平井先生ならではの講座でした。ありがとうございました。
投稿者 adv

